文体の舵をとれ
第9章 詰め込みと跳躍 原文: ポツポツと、顔に何かが当たった。 顔を手で拭ってみると濡れていたので、雨が降ってきたのだとわかった。 家まではまだまだ距離があった。すっかり仕事でくたびれていたから、私はできるだけ走りたくはなかったが、その想いに…
第9章 直接言わない語り――物事が物語る 問一 方向性や癖をつけて語る 「あなたはどんな暴力が得意なの?」 「いや、特に」 「ずいぶんと殴るのが上手いのね」 「鍛えてますから」 「ほんとに上手」 「僕ばっかりにやらせるのはやめてくださいよ」 「わたし…
第8章:視点人物の切り替え 問一:声の切り替え 問二:薄氷 問一:声の切り替え ヨネコは、兄の後ろを歩きたくなくて別の道を選んだ。墓石の列は、不規則な並びをしていた。市営ではなく町内会が管理している墓地は、およそ計画性のない区画割りがなされて…
問一:ふたつの声 ①単独のPOVで短い物語を語る。 ②別の関係者ひとりのPOVで、その物語を語り直す。 問二:遠隔型の語り手 問三:傍観の語り手 問四:潜入型の作者 問一:ふたつの声 ①単独のPOVで短い物語を語る。 「なんであんなものをパドックの近くに入れ…
第5章で形容詞を削ることは比較的容易だった。それゆえに冒険をしているところがなくて不満が残る。第6章は逆に無節操なところを冒険と誤解しているのがみっともないけれど、楽しく書けたので、ヨシッ。 第5章 形容詞と副詞 第6章 動詞:人称と時制 第5…
「どこまでも無垢でいるのですか。神を呪って、死ぬ方がましでしょう」(ヨブ2:9) ル=グウィン先生の教えを守って創作を続けるのは、本当に苦しくて楽しい。 文体の舵をとれ ル=グウィンの小説教室 作者:アーシュラ・K・ル=グウィン フィルムアート社 Amaz…